2026年の不動産法改正内容を知りたい方必見!主な変更点や影響をわかりやすく解説の画像

2026年の不動産法改正内容を知りたい方必見!主な変更点や影響をわかりやすく解説

坂本 拓也

筆者 坂本 拓也

不動産キャリア15年

お客様ご希望の物件探しを精一杯お手伝いさせていただきます!

不動産業界は、2026年に大きな法改正を迎えます。最近の社会変化や建物の老朽化、エネルギー問題を背景に、登記や管理、建築、税制に関する法律が順次改められていきます。「自分の取引や業務にどんな影響があるのだろう」と不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、2026年に予定されている不動産分野の主な法改正について、はじめての方でも分かりやすく解説します。今後の動向やポイントを理解し、大切な不動産をより安心して取り扱うための参考にしてください。

2026年に予定されている不動産登記規則および不動産登記法の改正内容

まず、2026年10月に施行予定の不動産登記規則の改正として、受付帳への記載事項(登記の目的や所在地など)についての運用簡略化が検討されています。ただし、現時点では、登記手続きに必要な受付帳の記載事項を原則不要とする法令上の明確な記述は確認できておりません。今後、政府の省令や法務省の通達等で正式に示される可能性がありますが、現時点では詳細は未確定です。

改正項目内容(現時点)備考
受付帳の記載事項原則不要化の検討あり詳細は今後の省令や通達待ち
義務化範囲登記の目的・所在地等の記載正式案示後に確認必要
施行時期2026年10月予定運用開始状況要注目

次に、2026年4月1日から施行される不動産登記法の改正により、不動産の所有者は住所や氏名の変更等があった場合、変更日から2年以内に変更登記を申請することが義務化されます。正当な理由がないまま申請を怠った場合には5万円以下の過料に処せられる可能性があります。これは、2026年4月1日より前に変更があった場合でも適用され、2028年3月31日までに申請する必要があります。また、法務局が登記官の職権で変更登記を行う「スマート変更登記」が導入され、利用者が事前に申出をしておけば、登記申請の負担が軽減されます。

これらの改正は、不動産業を営む当社にも大きな影響があります。まず、登記業務においては、顧客に対して義務化の概要や期限、罰則の内容を丁寧に説明する必要があります。さらに「スマート変更登記」の活用を提案することで、顧客の手続き負担を軽減し、信頼感を高めるサポートが可能です。不動産取引や賃貸管理においても、登記情報が最新のものであることが重要であるため、社内の業務プロセスやお客様対応にあたっての説明書類の整備・見直しが求められます。

2026年4月に施行される区分所有法および老朽化マンション対策法の主な改正ポイント

2026年(令和8年)4月1日より、マンション管理と再生の円滑化を目的とした「区分所有法」および「老朽化マンション対策法(=管理・再生円滑化法)」が施行されることになりました。この改正により、マンション管理組合の意思決定が進みやすくなるだけではなく、再生手法が多様化し、不動産会社にも新たな対応が求められることになります。

対象法令主な改正内容目的
区分所有法 集会決議を「出席者多数決」に変更/所在不明者を議決母数から除外/多数決要件の緩和 意思決定の円滑化
区分所有法(再生手法) 建て替え以外の選択肢(リノベーション、一括売却、取壊し後売却など)を明文化 多様な「終い方」の実現
老朽化マンション対策法 管理計画認定制度の拡充、都道府県等の権限強化、管理支援制度の創設 管理・再生の支援体制強化

まず、区分所有法の改正では、これまで「全所有者を母数とする決議」が原則だったものが、「出席した所有者のみを分母とする普通決議」が可能になります。これにより、総会への出席率が低くても意思決定が進みやすくなります。また、所在不明の区分所有者は裁判所の認定により議決母数から除外できる制度が導入されます。さらに、建て替えの多数決要件は、通常は従来の5分の4以上を維持しつつ、耐震性不足など客観的緩和事由が認められる場合は4分の3以上と緩和されます。

次に、再生手法の多様化についてです。従来「建て替え」が主な選択肢でしたが、新たに「一棟リノベーション」「建物・敷地の一括売却」「建物取り壊し・敷地売却」などの選択肢が法的に明示されました。これにより、老朽化マンションの「終活」として、さまざまな選択が可能となります。

さらに、「老朽化マンション対策法」では、管理計画認定制度(管理計画を自治体が認定する制度)の拡充や、自治体の危険マンションへの対応強化、民間管理支援団体の登録制度の創設が進められます。これにより、老朽化したマンションの管理・再生の体制整備が強化されます。

これらの改正によって、不動産会社には管理組合への助言や情報提供の役割、再生手法の選択支援、規約改正や管理計画認定のサポートなどがますます重要になります。お客様に対して、制度内容をわかりやすく説明し、適切な選択肢を提案できる体制の整備が求められます。

建築物省エネ法の強化とその影響

2026年4月から、延床面積が300平方メートル以上の非住宅建築物に対して、省エネ基準である一次エネルギー消費量基準値(BEI)が大幅に厳格化されます。これまでは2,000平方メートル以上の大規模建築物のみが対象でしたが、300平方メートル以上の中規模建築物にも適用が拡大され、用途に応じてBEIが0.75~0.85へと引き上げられることになります。例えば事務所・学校・ホテルなどではBEIが0.80、飲食店・集会所等では0.85、工場などでは0.75へ強化されます。

用途改正後のBEI
事務所、学校、ホテル0.80
飲食店、集会所等0.85
工場など0.75

この改正により、現状の設計で適合しているか否かを早期に確認する必要があり、設計段階での省エネ性能の見直しや、適合診断の実施が不可欠になります。中でも飲食店などでは、約半数が新基準に適合せず、設計変更や設備強化が求められる可能性が高いとされています。設計者や不動産会社は、顧客へこの基準強化の概要と対応の必要性を丁寧に説明するとともに、専門家との連携による計画支援を行うことが望ましいです。

持続可能性の観点から、エネルギー消費の少ない建築物は長期的な価値向上にもつながります。法改正に備えて、省エネ性能の高い設計や設備提案を積極的に行うことで、不動産会社として顧客の安心と信頼を築く契機ともなります。

まとめ

2026年の不動産業界における法改正は、不動産登記規則や不動産登記法、区分所有法、老朽化マンション対策法、さらに省エネルギーに関する建築規制や税制面にまで幅広く及びます。これらの変更点は、日々の不動産業務や顧客対応に直結するものであるため、早めの情報収集と準備が欠かせません。法改正によって必要となる手続きや説明責任を正確に把握し、的確なアドバイスができる体制を整えることが、信頼される不動産会社への第一歩となります。今後も最新の動向に注目し、安心いただけるサポートを心がけてまいります。

お問い合わせはこちら