自宅兼アパートの売却で3000万控除は受けられるのか?控除条件や申請時の注意点も解説の画像

自宅兼アパートの売却で3000万控除は受けられるのか?控除条件や申請時の注意点も解説

不動産コラム

坂本 拓也

筆者 坂本 拓也

不動産キャリア15年

お客様ご希望の物件探しを精一杯お手伝いさせていただきます!

「自宅として住みながら一部をアパートとして貸している場合、三千万円の特別控除が受けられるのか」と疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。不動産の売却は手続きや税制が複雑なため、正しい知識が必要です。この記事では、自宅兼アパートを売却する場合の三千万円特別控除の適用条件や注意点について、分かりやすく解説します。知らずに損をしないためのポイントを丁寧にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

自宅兼アパートでも3000万円特別控除は適用できるのか

居住用財産を譲渡した場合に譲渡所得から最高3000万円を控除できる制度は、「居住用財産の3000万円特別控除」として知られています。この制度は、ご自身が現在住んでいる家屋や、かつて住んでいた家屋(比較的最近まで住んでいた場合)に適用できます。敷地や借地権も併せて売却する際には対象となる場合があります。

自宅兼アパート(貸家兼自宅)のように、自宅として使用している部分と賃貸や事業用として貸し出している部分が混在する場合には、原則として「居住用部分」にのみ3000万円控除が適用されます。ただし、居住用部分が全体の90%以上を占めているようなケースでは、例外的に全部に控除が及ぶ可能性があります。

貸家兼自宅の売却にあたっては、居住用部分と非居住用部分(賃貸部分など)を明確に区分し、それぞれに適した特例を適用できる点が重要です。例えば、居住用部分には3000万円特別控除を、非居住用部分には別の特例(たとえば事業用資産の買換え特例など)を適用する方法も法令上認められています。

分類控除対象補足
居住用部分3000万円特別控除の対象譲渡所得から最大3000万円控除可能
非居住用部分(例:賃貸用)控除対象外別の特例(買換えなど)を検討
居住用部分が90%以上全体に控除適用の可能性あり割合により要件判断

控除適用の具体的な条件と注意点

自宅兼アパートの売却に際して「3000万円特別控除」を受けるためには、いくつかの具体的な条件と注意点がありますので、わかりやすく整理します。

まず、売却対象が「自分が現在住んでいる家屋」であること、あるいは「かつて住んでいた家屋」であっても、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば対象となります 。さらに、売却対象にはその家屋とともにその敷地や借地権も含まれます 。

次に、「解体後の土地」や「災害で家屋が滅失した場合」についての注意点ですが、家屋を取り壊した場合は、取り壊してから1年以内に売買契約を締結し、かつ住まなくなった日から3年を経過する年の年末までに売却する必要があります 。また、災害で家屋が滅失した場合も同様に住まなくなった日から3年以内に売却することが求められます 。

さらに、適用回数や特例の重複にも注意が必要です。売却した年およびその前年・前々年に同じ3000万円特別控除を受けていないことや、譲渡損失の特例、買換え・交換の特例など他の特例を受けていないことが条件です 。また、売主と買主が親子や夫婦などの特別な関係でないことも要件になります 。

以下に、条件をまとめた表を示します。

項目 要件
居住の用に供していたこと 現在住んでいるか、以前住んでいた家屋を売却(3年以内)
解体・滅失後の売却期限 解体後1年以内に契約、かつ3年以内に売却
特例の重複 過去3年以内に同一特例を受けていないこと、買換え・損失特例等との併用なし
売主と買主の関係 親族・同族ではないこと

以上のように、控除を適用するには各要件をきちんと満たす必要があります。不安な点があればいつでもご相談ください。

軽減税率との併用でさらにお得に

自宅兼アパートを所有期間が10年を超えて売却する場合、まず「3,000万円の特別控除」を利用して譲渡所得から控除できます。さらに、控除適用後の譲渡所得に対して「10年超所有軽減税率」が適用でき、6,000万円以下の部分は税率が14.21%(所得税10.21%+住民税4%)にまで軽減されます。また6,000万円を超える部分は通常の長期譲渡所得税率(約20.315%)が適用されますので、最終的な税負担を大幅に減らすことが可能です。これは多くの事例で大きな節税効果を生む特例です。

下表は、所有期間が10年超の場合における課税譲渡所得に対する適用税率の比較です。

課税譲渡所得の範囲所得税+住民税の税率
6,000万円以下の部分14.21%
6,000万円超の部分20.315%

このように、節税効果は明確で、居住用部分に該当する自宅兼アパートを長期間所有していた場合には、ぜひ活用を検討いただきたい制度です。

なお、この特例を活用する際は「住宅ローン控除」や「買換えの特例」など他の制度とは併用できないことに注意してください。適用する制度によって有利・不利が変わるため、どの制度を選ぶかは慎重に検討されることをおすすめします。

自宅兼アパート売却時に注意すべき手続きと相談先

自宅兼アパートを売却する際には、まず「三千万円の特別控除」を受けるには確定申告が必須である点にご注意ください。申告には、居住用部分と貸付部分を区分した上で譲渡所得を分けて計算し、「譲渡所得の内訳書」を用いて正確に記載する必要があります。居住用だった部分に対して控除適用されるため、面積や利用状況の区分が重要です。譲渡所得の内訳書や確定申告書は税務署や国税庁ホームページから入手できますし、添付書類として売買契約書や取得費・譲渡費用の領収書、登記簿謄本、戸籍の附票の写しなどが求められます。住所が異なる場合や取得費用の証明が困難な場合には、概算取得費(売却額の5%)の適用なども考慮されます。

項目 内容 注意点
確定申告 売却翌年の 2月16日~3月15日に申告 期間を逃すと適用不可
必要書類 譲渡所得の内訳書、各種契約書・領収書など 不備や漏れがあると認められない可能性
居住と非居住の区分 面積比などで明確に分ける 区分が曖昧だと控除対象外になる恐れ

こうした手続きは内容が複雑になりがちです。特に居住用と貸付用の区分や書類の準備など、初めての方には分かりづらい点が多いため、専門家である税理士へのご相談を強くおすすめいたします。確定申告の書類作成や書類の整え方、区分計算の方法など、的確なアドバイスを得られることが期待できます。

売却を検討されている方は、まずはお気軽に当社までご相談ください。税務や手続きに関するご不明な点を整理し、安心して次のステップへ進めるようサポートいたします。

まとめ

自宅兼アパートの売却時にも、一定の要件を満たせば三千万円特別控除を活用することができます。居住用部分が明確であれば、一部貸している場合でも控除が適用される可能性があります。また、控除のほかにも所有期間に応じた税率の優遇を受けられる場合があるため、少しでも有利に売却を進めるためには事前の準備が重要です。手続きは複雑になることが多いため、不安な点や疑問があれば早めにご相談ください。

お問い合わせはこちら

”不動産コラム”おすすめ記事

  • 賃貸アパートと購入どちらが良い?家賃やローン固定資産税の違いを比較の画像

    賃貸アパートと購入どちらが良い?家賃やローン固定資産税の違いを比較

    不動産コラム

  • 不動産登記の住所変更が義務化される理由は?期限や必要書類も紹介の画像

    不動産登記の住所変更が義務化される理由は?期限や必要書類も紹介

    不動産コラム

  • 福島県で賃貸経営を始めるならセーフティネット住宅活用方法は?補助や登録の流れも紹介の画像

    福島県で賃貸経営を始めるならセーフティネット住宅活用方法は?補助や登録の流れも紹介

    不動産コラム

  • 賃貸住宅の補助金は子供がいる世帯も対象?子育て世帯向け支援の種類を紹介の画像

    賃貸住宅の補助金は子供がいる世帯も対象?子育て世帯向け支援の種類を紹介

    不動産コラム

  • 外国人や留学生の受け入れで迷うオーナー様へ!ゴミ捨て・騒音トラブルや保証会社の対策も解説の画像

    外国人や留学生の受け入れで迷うオーナー様へ!ゴミ捨て・騒音トラブルや保証会社の対策も解説

    不動産コラム

  • アパートの防犯カメラ設置は何がポイント?の画像

    アパートの防犯カメラ設置は何がポイント?

    不動産コラム

もっと見る