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住宅ローンの親子リレーとはどんな仕組み?条件も含めて利用時のポイントを紹介

住宅ローン

坂本 拓也

筆者 坂本 拓也

不動産キャリア15年

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住宅ローンを組む際、「親子リレー」という仕組みをご存じでしょうか。年齢や収入の理由で借入が難しいと感じている方にとっては、親子リレーは解決策となる可能性があります。しかし、一見便利に思えるこの制度にも、いくつか注意しなければならないポイントがあります。本記事では、親子リレーの基本や利用条件、注意点、そして活用時に押さえておきたい制度上のポイントまで、分かりやすく解説いたします。住宅購入を検討されている方はぜひ読み進めてみてください。

:親子リレーとは

親子リレーとは、親と子(または孫)が連帯して一つの住宅ローンを契約し、二世代で返済する方法です。親が高齢で長期返済が難しい場合でも、子(または孫)の年齢を基準として長期ローンを組むことができ、返済期間を延ばせます。

また、親と子の収入を合算できるため、単独では借りられない高額な融資を受けられることがあり、特に二世帯住宅など購入資金が大きくなる場合に有効です。

さらに、フラット35などでは、親が年金生活者であっても年金収入を安定した収入とみなして審査に含められるケースがありますので、年金を収入として取り扱えるというメリットもあります。

構成要素内容
連帯債務者親と子(または孫)が共に債務を負う
返済期間子の年齢を基準に長期ローン可
収入合算親子の収入を合算して借入可能額を増やす

親子リレーの利用条件

「住宅ローンの親子リレー」をご検討の方に向けて、制度を利用するために必要な条件を分かりやすく整理します。

まず後継者となれる方は、申込されるご本人(親)の直系卑属(子・孫)またはその配偶者で、定期的な収入がある方に限られます。これは、将来の返済能力を見込めることを目的としています。

次に年齢に関する条件ですが、一般的な民間金融機関では、申込時の年齢が満70歳未満、かつ完済時の年齢が満80歳未満とされるケースが多いです。ただし、フラット35の「親子リレー返済」制度では、申込者(親)が70歳以上でも申し込むことが可能で、借入期間は連帯債務者となる子の年齢を基準に設定できます。たとえば子が申込時に満70歳未満、完済時に満80歳未満であれば、最大35年の返済期間が適用されます。

また、制度を利用する際のポイントとして、後継者は連帯債務者として1名のみ指定できることが挙げられます。そして、親・子双方に安定した収入が必要であり、返済能力が十分に備わっていることが前提となります。

以下に条件をまとめた表をご覧ください。

項目 条件
後継者 申込者の直系卑属(子・孫)または配偶者で、定期的収入がある方
年齢制限(民間金融機関) 申込時満70歳未満、完済時満80歳未満が一般的
年齢制限(フラット35 親子リレー返済) 申込者年齢問わず、後継者が申込時満70歳未満・完済時満80歳未満なら最大35年
連帯債務者 後継者は1名のみ指定可能
収入要件 親・子双方に安定した収入が必要

利用の際の注意点

親子リレー方式の住宅ローンを活用する場合には、将来にわたるリスクやトラブルを避けるため、十分に注意しておくべき点がいくつかあります。

まず、団体信用生命保険(団信)についてですが、親子リレーでは原則として加入できるのは親または子のどちらか一人だけです。そのため、たとえば子が団信に加入しているにもかかわらず親がローン返済中に万一の事態に陥った場合、親の債務分も子が返済しなければならず、家族への金銭的負担が想定以上に重くなる可能性があります。

注意点内容対策
団信への加入者の選択親子どちらか1人しか団信に入れないどちらが加入すべきか慎重に判断する
相続時の持分と返済負担のずれ持分と返済負担の割合が一致しないと「みなし贈与」と判断され税金が発生する可能性登記の持分を返済割合に応じて正しく設定し、事前に対策する
同居や将来設計とのずれ子が同居しなかったり未婚である場合、返済責任だけが残るリスク将来について家族間でしっかり話し合い、同居や生活設計を確認しておく

次に、相続が発生した際の問題です。親が亡くなった後、不動産の持分は相続の対象となりますが、住宅ローンの返済義務は子が引き継ぐことになります。ここで問題となりやすいのが、不動産の持分と実際の返済負担のバランスのずれです。たとえば返済負担が子のほうが多いのに、持分が少ないと税務上「みなし贈与」と判定され、贈与税が課される場合があります。そのため、持分と負担の整合性を意識した登記が不可欠です。

さらに、同居していない子や未婚の子を後継者とした場合には、将来的に同居が実現せず返済だけが残ってしまうケースがあります。こうした状況では、子が返済を続けながら賃料支払いなどを余儀なくされる可能性もあり、経済的負担が非常に大きくなり得ます。そのため、利用前には将来の生活設計や家族の意思を十分にすり合わせておくことが大切です。

活用時に押さえておきたい制度面のポイント

住宅ローンの“親子リレー返済”を活用する際には、制度や税制上のポイントを正しく理解しておくことが重要です。まず、住宅ローン控除についてですが、親子リレー返済では、親と子それぞれが持分割合に応じて控除を受けられる場合があります。例えばフラット35の親子リレー返済では、各自の持分に応じて住宅ローン控除が適用されることが多く、制度のメリットを最大限に活かせます。

ポイント概要
住宅ローン控除親子それぞれの持分に応じて適用される場合あり
年金収入の取り扱いフラット35では公的年金も収入に含められる
金融機関ごとの条件同居要件など、取り扱いが異なるため要確認

たとえば、住宅ローン控除は、親子で住宅を共有している場合、双方が持分に応じて申告できるケースもあります。これにより、節税効果を二世代で享受できることがあります。さらに、フラット35では、公的年金も審査の「収入」として認められるため、年金収入しかない高齢の親でも親子リレー返済に参加しやすくなります。

また、金融機関ごとに審査基準が異なりますので、最大限に制度を活用するためには、同居の有無や年齢条件、収入要件などを事前にしっかり確認することが大切です。特に同居が不要なフラット35は、ライフスタイルに応じた柔軟な返済計画を可能とする点で注目です。

まとめ

親子リレー住宅ローンは、親と子が協力して資金計画を立て、長期間にわたる安心な住まいづくりを実現するための仕組みです。年齢や収入要件など一定の条件を満たす必要がありますが、お互いの強みを活かせる点が大きな魅力です。ただし、団体信用生命保険の適用や相続、生活設計といった注意点も多くあります。家族の将来像をしっかりと見据え、制度内容や金融機関ごとの要件を事前に確認しながら、納得したうえでご検討いただくことが大切です。

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