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相続した空家は売却か活用か?判断に迷うときの考え方を解説

空家管理

坂本 拓也

筆者 坂本 拓也

不動産キャリア15年

お客様ご希望の物件探しを精一杯お手伝いさせていただきます!

相続した空家を前に、売却か活用かで悩んだまま時間だけが過ぎていませんか。
実は、対処を後回しにすると、固定資産税や管理の負担が重くなるだけでなく、老朽化や災害によるトラブルにつながるおそれもあります。
一方で、早めに状況を整理すれば、売却による現金化や、賃貸・セカンドハウスなどの活用により、資産として生かす道も見えてきます。
この記事では、相続した空家を売却する場合と活用する場合の特徴や注意点を整理しながら、どのように判断していけばよいかを、順を追ってわかりやすく解説します。
ご家族の将来を見据えた最適な選択を考えるきっかけとして、ぜひ最後までお読みください。

相続した空き家を放置するリスクと現状

総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は約900万戸に達し、過去30年間でほぼ2倍に増えています。
このうち、賃貸用・売却用・二次的住宅を除く、いわゆる長期放置に近い空き家は約385万戸とされ、約20年間で約1.5倍以上に増加しています。
人口減少や高齢化、相続をきっかけとした住み替えなどが重なり、空き家は今後も増加が見込まれている状況です。
そのため、相続した空き家をどう扱うかは、個人の問題にとどまらず、社会全体の課題として注目されています。

空き家を相続したものの、そのまま放置していると、固定資産税などの税負担は毎年かかり続けます。
建物や庭木の定期的な手入れを行わないと、老朽化が進み、屋根材や外壁の落下、雑草や樹木の繁茂などにより、災害時の被害拡大や道の通行支障につながるおそれがあります。
また、管理が行き届いていない空き家は、不法侵入やごみの不法投棄の対象になりやすく、防犯上の不安や景観悪化から近隣住民とのトラブルの火種にもなりかねません。
このように、相続後に何も手を打たない状態が続くと、所有者にとっても地域にとっても負担が大きくなっていきます。

こうした問題に対応するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、各自治体は危険性や管理状況が特に悪い空き家を「特定空家」と判断できる仕組みを整えています。
特定空家に該当すると、指導や勧告、命令が行われる可能性があり、従わない場合には行政代執行により解体などが実施され、その費用が所有者に請求されることもあります。
さらに、勧告を受けた空き家は固定資産税の住宅用地特例が外れ、土地にかかる税額が大きく増える場合があります。
相続した空き家を放置すると、このような行政上の不利益や税負担増につながるおそれがあるため、早めに方針を決めることが重要です。

項目 内容 所有者への影響
空き家の増加状況 全国で約900万戸規模 相続空き家の増加要因
放置による問題 老朽化・災害時危険性 近隣トラブルや賠償リスク
特定空家の指定 行政指導・勧告・命令 解体費用負担と税負担増

相続空家を「売却」する場合のメリットと注意点

相続した空き家を売却すると、日々の見回りや清掃、庭木の手入れなどの維持管理から解放されます。
建物や土地を現金化できるため、今後の生活資金や子どもの教育資金などに充てやすくなる点も大きな利点です。
また、複数の相続人がいる場合でも、売却代金を分配する形にすれば、不公平感が生まれにくく、将来の感情的な対立を予防しやすくなります。
このように、売却は負担の軽減と資産整理を同時に進められる選択肢といえます。

一方で、相続した空き家を売却するときには、譲渡所得税と住民税がかかる可能性があります。
譲渡所得が生じた場合、その所得に対して所得税と復興特別所得税、さらに翌年度の住民税が課される仕組みです。
ただし、一定の要件を満たすときは、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)の特別控除を受けられる場合があります。
適用期間や要件は法令改正の影響を受けるため、売却前に最新の情報を確認することが欠かせません。

売却を具体的に進める前には、いくつかの点を丁寧に確認しておく必要があります。
まず、登記事項証明書などで権利関係を整理し、相続登記が済んでいるか、共有者の同意は得られているかを確認します。
次に、建物の老朽化の程度や雨漏りの有無、シロアリ被害など、建物の状態を把握し、境界標の有無や隣地との境界が明確かどうかもチェックしておくことが大切です。
さらに、家財道具や残置物の処分方針を早めに決めておくことで、売却の時期を逃さず、税制上の特例が利用できる期間内に手続きを終えやすくなります。

確認項目 主な内容 早期確認の効果
権利関係の整理 相続登記完了・共有者同意 契約手続きの停滞防止
建物・土地の状況 老朽化・境界・設備状況 価格交渉とトラブル回避
税制特例の適用可否 空き家特例・取得費加算 税負担の軽減と資金計画

相続空家を「活用」する場合の主な選択肢と特徴

相続した空き家を活用する方法として、代表的なのが賃貸としての利用です。
総務省統計局の住宅・土地統計調査では、全国の空き家のうち賃貸用が大きな割合を占めており、居住用として再び活用されている事例が少なくありません。
賃貸として活用すれば家賃収入を得られる一方で、入居者募集や建物管理、修繕対応など、所有者としての役割を継続して果たす必要があります。
また、空室期間が生じる可能性や、賃貸借契約に関する法律への配慮など、収入だけでなくリスクの側面も踏まえて検討することが大切です。

相続した空き家は、賃貸だけでなく、自分や家族が利用する形で活用することも可能です。
例えば、一定期間だけ滞在するための住まいとして利用するケースや、親族の居住の場として活用する事例が各地の空き家利活用ガイドブックでも紹介されています。
さらに、事務所や店舗、地域活動の拠点など、事業や地域貢献の場として使われる例もあり、国土交通省も空き家の用途変更を通じた地域資源としての活用を後押ししています。
このように、自分や家族の暮らし方、仕事の形に合わせて柔軟に使い方を検討できる点が、自家利用型の活用方法の特徴です。

相続した空き家を活用するかどうかを判断する際には、いくつかの視点を整理して考えることが重要です。
国土交通省や自治体の資料では、立地、建物の状態や築年数、改修費、将来の売却のしやすさなどを総合的に検討することが推奨されています。
活用のために多額のリフォーム費用が必要な場合でも、将来的な家賃収入や利用価値によって費用対効果が見合うかどうかは物件ごとに異なります。
そのため、維持管理費や固定資産税などの支出と、賃料や利用価値といった見込まれるメリットを比較しながら、中長期的な視点で検討することが大切です。

活用方法 主なメリット 主な留意点
賃貸として活用 家賃収入の確保 入居者対応と空室リスク
自分や家族で利用 生活拠点や憩いの場 維持管理費と固定資産税
事業や地域活動で活用 地域貢献と資産有効活用 用途変更手続と改修費用

相続した空き家を売却か活用か決める判断手順

相続した空き家の方針を決める際は、まず家族や相続人同士で、利用希望や今後の暮らし方について丁寧に話し合うことが大切です。
そのうえで、誰が住む可能性があるのか、当面は誰が管理を担うのか、いつまでに結論を出したいのかといった点を整理します。
また、相続人それぞれの資金計画や老後の生活設計とも関係しますので、生活費や教育費など他の支出とのバランスも含めて検討する必要があります。
こうした情報を共有しておくと、後から意見が食い違った場合でも、話し合いの原点に立ち戻りやすくなります。

次に、売却と活用それぞれの場合に、どの程度の費用と収入が見込めるか、概算で収支を比べてみることが重要です。
売却を選ぶなら、不動産会社への仲介手数料や測量費、解体費、譲渡所得に対する所得税・住民税などの負担を確認する必要があります。
一方、活用を前提とする場合は、固定資産税や火災保険料、点検や修繕、庭木の剪定などの維持管理費に加え、賃貸なら空室期間を考慮した家賃収入の見込みを試算します。
相続した空き家の譲渡所得に対する特例については、適用要件や適用期間が細かく定められているため、国税庁が公表している最新の資料を確認し、税負担を含めた全体像を把握しておくことが大切です。

さらに、現時点の状況を整理しながら、売却か活用かの結論に向けて具体的な検討項目を書き出していきます。
例えば、建物の老朽化の程度や耐震性、修繕が必要な箇所の有無、権利関係に問題がないか、境界が明確かどうか、残置物の処分が必要かなどを確認します。
あわせて、今後の管理体制をどうするか、自分たちだけで判断しにくい点は、自治体の空き家相談窓口や、税務・法務の専門家への相談も検討します。
これらの情報を一度書面にまとめると、長期的に見て売却と活用のどちらが自分たちの暮らしに合っているのか、冷静に見極めやすくなります。

検討の視点 主な確認内容 判断のポイント
家族の意向整理 居住希望や管理負担の認識 全員が納得できる方向性
お金の見通し 売却費用と維持費・税金 長期的な家計への影響度
物件と周辺状況 建物状態や将来の利用可能性 売却と活用の実現しやすさ

まとめ

相続した空き家は、放置すると固定資産税や管理コストに加え、老朽化や災害リスク、近隣トラブルなど多くの問題を生む可能性があります。
一方で、売却すれば維持管理から解放され現金化ができ、活用すれば家賃収入や家族の住まいとして役立つ場合もあります。
大切なのは、家族で話し合い、収支や将来のライフプランを整理したうえで「売却」か「活用」かを冷静に判断することです。
当社では、相続空家の状況整理から売却・活用の比較検討、手続きの流れまで丁寧にサポートしています。
「何から始めればよいか分からない」という段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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